大河ドラマ「西郷どん」 │ 第十七回「西郷入水」

先週、亡き薩摩藩主・島津斉彬の幻を見て、自死を考えていた姿勢から前向きに生きて行く姿勢となった主人公・吉之助(西郷吉之助)ですが今週のタイトルはまた自死を匂わせるもの。
どのような展開でそうなるのか、第十七回の放送の感想です。

篤姫の立場

江戸幕府第13代将軍・徳川家定に輿入れしていた薩摩藩出身の篤姫は、家定を亡くし落飾し天璋院と名乗ることになりました。

薩摩藩や水戸藩といったいわゆる篤姫側が推挙していた一橋慶喜(後の徳川慶喜)ではなく、敵対する、大老・井伊直弼の推挙する徳川慶福が家茂と名を改めて第14代将軍に就き、天璋院の養子となりましたが、家茂は天璋院と親しくするつもりはないようです。
どうやら井伊直弼が何かと幼い家茂に吹き込んでいる模様。

自分が推挙した人物では無い方が立ち、挙句目の敵にされ、天璋院の立場は非常に苦しいものとなりました。
そこで幾島は、天璋院に薩摩へ戻ることを打診します。

しかし天璋院は、自分の家はもう徳川であるとその提案を断ります。天璋院はこの後も何度か薩摩へ戻るよう薩摩藩からも促されますが、戻ることはありませんでした。すごく昔気質の女性ですね…。

その考えを褒め称え、幾島は自らは大奥から退く決意を述べます。
そうすれば将軍継嗣問題における責任は全て去って行く幾島のせいということになり、天璋院への風当たりはマシになるという考えでした。

天璋院は止めますが幾島は去って行きます。閉められた襖越しに、二人は深く頭を下げ合いました。
厳しい言動の中に幾島は常に天璋院のことを想ってくれていて、別れまで天璋院のためとは、幾島は天璋院のことをあっぱれと言っていましたが幾島の忠誠心こそあっぱれではないでしょうか。

吉之助は薩摩へ

一方、幕府から追われている吉之助と月照は、命からがら薩摩の実家へたどり着きます。

なぜ二人が追われているかと言いますと、安政の大獄で井伊直弼による反幕府派の活動家たちが一斉に粛正されているわけですね。
先週は、それまで行動を共にしてきた橋本左内も捕縛されておりました。
そういえば今週左内出て来てないですけどどうなったのでしょう…いえ史実上のことは分かっているのですが、もう来週は奄美大島に舞台が移ってしまうのに、まさかこのままスルー?

月照は朝廷をそそのかして将軍継嗣問題に関わったため、吉之助は斉彬の命令とは言え同じくその活動に加わっていたため、粛正のターゲットになっているわけです。
実家に匿った月照の身の安全を薩摩藩に注進しようとした吉之助を、隣家の大久保正助(後の大久保利通)が制止します。

薩摩藩には、斉彬とは反りの合わなかった、父親の斉興も戻って来ていました。斉彬の側近であった吉之助が注進をすれば処罰対象になる可能性があるということで、正助は妻の実家伝いで斉彬の側近であった山田為久より新しい藩主へ注進してもらうことにします。

斉彬亡き後、薩摩藩は斉彬の遺言により、斉彬の嫡男ではなく斉彬の弟・久光の嫡男である茂久が跡を継いで久光が後見することになっていました。
そして斉彬の遺志を継いで反幕政治を行うつもりでしたが、そう家臣たちに宣言する場で、斉興が声を荒げて入って来ます。斉興は、今後幕府に逆らう政治をしてはいけないと断言します。
藩政の実権は、久光ではなく、斉興が握ってしまいました。

「久光に斉彬の代わりは務まらない」というセリフ…斉興も斉彬の藩主としての実力は認めていたんですね。久光も斉彬のことは素晴らしい藩主だと思っていたからこそ、このセリフはものすごく痛かったと思います。

日向送りへ

そして吉之助と月照に下された処罰は「日向送り」でした。

日向送りとは、藩境の日向までの追放、と見せかけてそこで殺してしまうという実質的な死刑。

納得のいかない郷中の者たちは命がけでの直訴を考えますが、吉之助は余計な血が流れるだけだとそれを拒みます。
正助は久光に直訴をしますが、政から遠ざけられている久光にはその力がなく断られてしまいます。

そこで正助は一つの手を考えました。

それは、月照を殺すことにより、吉之助の命だけは助けてもらうという手段でした。
山田為久の取次で斉興に直談判をしてその手を認められた正助は、吉之助を、薩摩のために日本のために、自分のために生きてくれと説得をします。

吉之助は了承し、月照を連れて日向へ発ちます。

入水

吉之助は月照を斬って戻って来ると信じている正助ですが、実家には吉之助が命よりも大事にしていた、亡き斉彬より賜った短刀が残されていました。
正助はそこでようやく、吉之助は月照を斬らずに、二人で死ぬつもりであることに気が付きます。
吉之助は月照を抱きかかえると海へ飛び込んで入水自殺を図り、今週の「西郷どん」の放送は終わりとなりました。

ここがちょっと良く分からないのですが、先週あれほど生きて斉彬の遺志を継ぐと言っていた吉之助が、吉之助のために奔走して命乞いをし真正面から死なないでほしいと言う正助や、久し振りに戻った弟妹のいる温かい実家と月照を天秤にかけて、月照の方を取る…というのが納得いきませんね。実は割り切った振りしてまだ斉彬の後追いしたかったのかな?そう思わせる、短刀を見詰めるシーンもありましたし。

それとも、優し過ぎる性格だから、やはり自らの保身のためだけに切り捨てるというのは、あまりにも月照が不憫だと無理だったのでしょうか。そういえばドラマが始まったばかりの頃も給料を人のために使って弟妹を困らせていましたね…何となく、演じる鈴木亮平さんならやりかねない!と思ってしまうところがすごいところですが。

この優し過ぎる、が、後々自らの足を引っ張ることになりそうでドキドキします。

次回「流人 菊池源吾」

誰ですか菊池さん。
と思って調べましたら吉之助のことでした。死んだことにするために、偽名を使っていたそうです。

奄美大島での生活が次週から始まりますね。しばらく江戸末期のゴタゴタから離れて、またどのように戻って来るのか…少し平和な話が続きそうで、こちらとしては心臓が休まる思いです。

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