老々介護の実態|実母が通いで祖父母の介護

近年、男性女性ともに平均寿命が長くなっています。医療の発展、食生活の充実、暮らしやすさ…その背景には様々な人の尽力があります。

そして、私の母方の祖父母もありがたいことに93歳、87歳と大変長寿です。父方の祖父は62歳で亡くなり、父方祖母は存命でこれまたありがたいことに元気でいてくれています。

しかし、母方祖父母は、大変な事に、祖母の方が昨年病を患い、それがきっかけで認知が進み、介護認定を受けています。祖父は祖母に身の回り全てをさせていた言わば「亭主関白」。病を患いやっと退院した祖母に変わらず身の回りのお世話をしてもらっているそうです…。

そんな状況を見ていられないのが、一番近く(といっても電動自転車で30分)に住む実母。最初のうちは毎日、今は2日に1回、通いで身の回りのお世話にいっています。

遠いので毎日はいけませんし、色々な施設のヘルパーさんからお手伝いをしてもらったり、訪問医に来てもらい診察を受けられるようにしたり、それはそれはあの手この手で頑張っている母。

そんな母の方が病気になったこともありましたし、ピリピリした時期があり、介護の大変さを身にしみて感じています。なので、高齢化が進む中、母から聞いた事、また介護で大変なことについてや、こういうサービスを利用しているということを書いていきたいと思います。ちなみに介護保険やその他もろもろ、地域によって異なるような内容については知識不足なので深くは書いていません。

通い介護開始の時の母は62歳

事の発端は、昨年の夏頃。蒸し暑く、祖父母の様子が気になった母は、電話をかけたそうです。
「調子が悪い」という祖母の返答に嫌な予感がした母は、その足で祖父母宅に駆けつけました。すると、祖母は寝ており、お腹が痛い…と。
診察の結果は腸閉塞。色々な検査で麻酔を使用したりし、一時的に認知が進んでしまいました。

とにかく退院しても、またお世話させるであろう祖父のところにすぐに返すわけには行かない…と、知り合いの病院に転院するも、長くはいられず、祖母も自宅に帰りたがったため、一時帰宅することになりました。
その時母は62歳。仕事はしておらず、私自身が近くに住んでいるので、孫の面倒をよく見てくれたり、学校や幼稚園の間に一緒に遊びに出かけたり、同窓会を楽しんだり、有意義に過ごしていました。

大変な自転車移動に、電動自転車を購入

我が家にも実家にも車がありません。というのも、免許を持っているのは父と主人だけ。実家の車を処分してからは、特に車の恩恵を受けることなく過ごせていたようです。というのも、周囲の環境がいいので、外出が得意ではない父母は、自転車だけでどこまでも行く~という感じなのでした。

しかし、祖父母の家がかなりの勾配…。普通の自転車で行けないと判断した時は「タクシー」を使っていたそうですが、請求等を祖父母にするのを悪く感じたそうで、母親は電動自転車の購入を即決。これまでかなりしんどかった勾配も、楽に走ることができる…と言っています。それでもやはり30分はかかるので、無理しないで、一緒に行くよ…とはいうのですが、2児を抱えている私に体調を崩されるほうが大変になるから…と、側で話を聞いてくれるだけでいいと言っています。

現在うけているサービス

現在は、週に数回ヘルパーさんが数時間様子を見たり、身の回りの掃除や洗濯等をしてくれています。どんな人が来るのかが心配だいう祖母の為、最初は母が一緒に会って雰囲気を見ていたそうです。
もちろん母が来られるならヘルパーとして来なくていいのでは…という話になるので、理由を話し、次回からはヘルパーさんが来られる日は出向かないようにしました。

また訪問医に来てもらい、月に一度診察をしてもらっています。少しでも他人に家の中へ入ってもらえることで、客観的に今の状況を知ってもらうこともできますし、専門的な分野を見てもらえるので助かるそうです。

そして、宅配食事サービスもお願いしています。最初は母が作ったものを届けたりもしていたのですが、傷みも気になりますよね。普通食は歯がない祖父母には難しいので、年齢に応じた調理がしてあるお弁当を毎日1食お願いしています。いくつになっても食事というものは人の心を支えているものなので、あれこれと注文をつけてくる祖父母ですが、それが言えるという事は、まだまだこれが食べたい、あれは嫌いという食べる意欲のある証拠なので、その目安にもなります。

どんなことが大変か

実際どんなことが大変か…これは母がよくいうことをまとめていきたいと思います。

老人2人が誰の監視もなく過ごしている事が不安

これまでは電話で色々な話が出来ていた祖父母。しかし、もう耳もほとんど聞こえていない&すぐに忘れるという状態なので、難しい話などはもう直接会いにいくしかありません。でも片道30分。夜になるともう行くことすら難しいですし、また明日…となるわけですが、思いのほか祖母は自分で何でもできると思っているようで、すぐ一人で外出したりするそうで、母にとってはそれが一番不安だそうです。

それまでは見えない日常だったのが、一緒に過ごす時間が増えるにつれ、信号で止まれない、周りが見えていない…といったことが目につくようになり、交通事故等が非常に心配だそうです。その為、夜も不安で寝付けない…という常にストレスと向かい合わせ状態でいる子とがかなり大変だそうです。

これは幼児2人を1、2時間留守番させるといったものと同じ感覚かもしれません。私は20分以上留守番をさせたことがないので、それ以上はいてもたってもいられない不安に襲われてしまいます。
幼児に戻りつつある祖父母…。同居したほうが楽…という母ですが、そこにも大難関が待ち受けているのです…。

祖父が元気な寝たきり&頑固!

祖父は10年ほど前に一度病気をして以来、寝たきりで過ごすようになりました。退院して少しずつ元気になり、一時は庭の手入れも積極的にしていたのですが、祖母が倒れてからはさらに寝たきりに…。

しかし、訪問医での診察では「元気そのものの93歳」。とにかくそんな祖父を病気で認知が進む祖母が介護する状態を打破するため、老人ホームやケアホームに行くことをすすめるも

「絶対家を離れない!」と頑な…。となると、結局負担が増えるのは祖母と母…。とにかく何とか説得し続けたのですが、親戚みんなに言われようが他人に言われようが折れる見込みなし…。という事で、とにかく負担だけが増えたのです。祖母だけは月に数日ほどケアホームなどでお世話になったり、少しでも気分を変えてもらうことで、元気になってきているのですが、なかなか先の見通しがつかずでいます。

食事が大変

祖母が入院中は、母がいくつか品を作ってもっていったりしたのですが、長く続けられるものではありません。夏になると傷みも気になります。

という訳で、毎日宅配のお弁当を頼むことにしました。老人の食事として、健康や食べやすさ(固さ)を第一に考えたおかずのお弁当が2人分宅配されます。食は第一ですし、楽しみでもあるのですが、こちらもどうも気に入らない…と。また、祖母の分まで祖父が食べてしまったり、あの手この手で祖父母の要望をとりいれつつ小さな変更はしているようですが、その手続きもすべて母なので、とにかく頭が一杯。何とか助けてあげたいという気持ちになります。

3人兄妹なのに母ばかり…

母が一番納得いかなかったのは、周囲の非協力だと思います。母は兄と妹がいるのですが、駆けつけられない程の距離ではないものの、皆それぞれに家庭の事情等もあり、頻繁には通えないのが現状。それは理解できるのですが、特に叔父は病院の手配やお金の管理、食事の宅配サービスの管理等も全て母任せ。決まったことには文句を言ったり、たまに顔を出せばお客さん面…。バリバリのエリートだったので、そうなるのも無理はありませんが、祖父母には祖父母のプライドもありますし、母は色々な面で祖父母の了解を得ながらやっているので、口だけ出して帰る…という状況に母もかなりストレスを感じています。

親族間のトラブルは、こうしたところから生まれてくるというのもよく理解できますし、だからこそ50代60代のうつや自立神経失調症が目立つのも納得が行きます。

父親がこれまた大変

母が奔走しているのを知っていながら、定年した父親はずっとテレビの番人。定年してからは夫婦別々の部屋で過ごしているのですが、母が介護に忙しくなって最初のころは協力的だった父も、長くなればなるほど拗ねモードに…。

拗ねたらお酒に走り食事を摂らない等、不摂生になるのでなるべく母も家事を怠ったりしないようにしているのですが、とにかく難しい父。家に帰ってまでイライラしなくてはいけないなんて、父親ももうちょっと考えて欲しいところです。娘の私からしても「子供か!」と思うことが多々あります。

母に聞いてみた介護から学んだこと

母が私に話してくれた事は、まだまだ半分くらいかと思います。人それぞれ大変と思う分野も違いますし、許容量も違うので、まだまだ私が知らないこともたくさんあると思います。

その中でいつも母が言うのは「人間、食べる・排出するという行為が難しくなってからが一番大変」ということ。また病気などで認知が進むと、それ以外の事も分からなくなりますし、「清潔、不潔」という概念もないに等しくなる…といっています。

それを取り戻すことは母にはできませんし、これから先をどう進めていくかも、勝手に決めるのではなく、祖父母の希望に沿って最善の方法をとって行かないといけない…と思っているそうです。

なので、母は今のうちから私に
「お母さんが歳を取って自分の事ができなくなったら施設にいれて欲しい…」と言っています。子供に迷惑をかけたくないし、その時になって施設なんて嫌だとごねても、騙してでも入れてくれて構わないと…。

介護する側として辛いからこそそう思うのですよね…。私もできる限り希望に沿った方法で歳を重ねて欲しいとも思いますし、それこそあまり人付き合いが好きでない母を知っているので、そう聞いてもあまりピンとこないのですが、まだまだ先…と思っていたらいけないという気持ちにさせられます。

最後に…

介護…と聞いて、これまで「介護疲れ」「老々介護」といった言葉は聞いたことがあっても、実際身の回りの話として実感したことがなかったので、どれほど大変か…ということについてははっきりと理解していませんでした。

これだけ医療が発展し、寿命がのびたとは言え、それをサポートする基盤も出来てきているものの人手不足だったり、そもそも家を離れたくない、コミュニケーションがとりたくないから介護施設やケアホーム等などには行きたくないという方もたくさんいらっしゃいます。

祖父母も、これは家族で面倒を見るにはあまりに大変だという事を知ってもらうため、訪問介護の方に見てもらったり、市の職員の方に来てもらったりして現実を見てもらったようですが、祖父母はその時だけ無理にシャンと姿勢を正してちゃんと生活できていますと言い切るのです…。赤の他人含め、周囲が説得するも、やはり意地でも家に居たいという気持ちが勝り、母への負担は大きくなるばかりなのです…。現実を打破するのは相当難しく、ゴールが見えない状況ですが、とにかくやるしかない…という母を見て、近所に住んでいるのですが、出来るだけ迷惑をかけないように、またいつでも味方でいられるように…と思っています。

今回母親に色々聞いてみて、今のうちから自分が将来年老いた時にどうしたいのか、家族に面倒みてもらいたいのか、それとも家族には面倒をかけないようにケアホーム等を検討するのか、いざとなった時は意見も変わるかもしれませんが、考える力がしっかりとあるうちに、家族と話し合うことも必要だと感じました。

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