大河ドラマ「西郷どん」|第十回「篤姫はどこへ」

今週のサブタイトルの「どこへ」は行方不明になったときの「どこ」と輿入れしてからの運命の「どこ」を指しているのかな?

昨年もそうだったのですが、二重の意味があるタイトルとか大好きです。

あらすじ

薩摩藩主・島津斉彬の命令により一橋慶喜(後の江戸幕府15代将軍・徳川慶喜)と思われる人物「ヒー様」に再度会いに行った主人公・西郷吉之助(後の西郷隆盛)

慶喜は吉之助に「将軍になるつもりはない」と言い切ります。何の話か分からない吉之助が困惑しているタイミングで、おタマが倒れ店の中は騒然とします。

そこに蘭方医が現れ、瀉血(しゃけつ・患者の血を体外に排出させることで改善を図る治療法)の処置をし、おタマの状態は安定します。慶喜に名前を聞かれますが、医者は「こんなところで名乗るのは無粋なので」と名乗らずに去って行きます。

吉之助より、慶喜の将軍になるつもりはないとの伝言を聞き、斉彬は「一筋縄では行かない方だ」と苦笑をします。そこに篤姫が行方不明になったという知らせが入り、吉之助は捜索の向かいます。

篤姫の実父の訃報を聞いて落ち込んだ篤姫は、故郷を想って海を見に来ていました。

思う存分に泣き吉之助と共に戻った篤姫に、斉彬は薩摩の姫として13代将軍・徳川家定に輿入れするよう伝えます。自分にその大役が務まるだろうかと驚いている篤姫の元に幾島という、京の近衛家より、御台所になるための指南役がやって来て、篤姫の花嫁修業が始まります。

言葉遣い、所作、書道、琴に薙刀、そして閨での作法になったところで追い出された吉之助が薩摩藩邸に戻ると、いつぞやの蘭方医が待っていました。医者は越前福井藩の藩医・橋本佐内を名乗り、藩主より託された、一橋慶喜を次期将軍にする企てに関しての書状を斉彬に渡してほしいと言うのです。

御台所になる篤姫が産む子が次期将軍になるものだと疑ってなかった吉之助は驚愕し、なぜかと佐内に詰め寄ります。

今の幕府においては外様藩である薩摩の藩主斉彬は、いかに聡明であっても幕府の政に関わることは出来ない。そこで斉彬は「衆議一致」という、有力な藩が力を合わせて政を行う仕組みを作りたいと思っている。

しかし現将軍家定は虚弱であり、仮に篤姫が嫁いで世継ぎを産んだところで、先は長くなく幼子が将軍として就任してもこの乱世を乗り切ることが出来ない。そのために慶喜を次期将軍に立てておきたいというのだ。

説明されても吉之助には、雲の上の話で…と今一つ実感が湧きません。あまりにも物を知らない吉之助に、買いかぶっていたと失望し佐内は帰って行きます。

書状を持って行った吉之助は、斉彬に疑問をぶつけます。

斉彬は、外国と対等に渡り合うためには秀でた将軍が必要で、慶喜に次期将軍になってもらわないといけないと言い切るが、ならばなぜ篤姫の輿入れが必要なのか?と吉之助は尋ねます。篤姫は将軍の正室になり世継ぎを産むという、誰もが羨む幸せを手にするのだろう、と。

しかし斉彬はそれを否定しました。
「お篤は、不幸になる。」と。

幾島と薩摩の関係

篤姫の指南役として今週出て来た幾島。
どんな繋がりで近衛家からきてくれたのか、京女かと思ったら薩摩出身だと篤姫が言ったり、結局誰?という方もいたのではないでしょうか。

今後篤姫には欠かせない存在ですので少し調べてみました。

幾島は元は藤田という名で、斉彬の父斉興の養女として京都近衛家・近衛忠煕に嫁いだ郁姫の上臈(じょうろう・侍女の役職名)でした。つまり薩摩で育ち京都の嫁入りに従い京の所作も取得していた、篤姫の指南役にはうってつけの生い立ちです。郁姫の死後は出家して菩提を弔いながら近衛忠煕に仕えていました。

篤姫の将軍家輿入れに際して名を幾島と改め篤姫付となり、御台所に相応しい女性になるよう篤姫を教育し、共に大奥入りします。

本来徳川幕府の御台所というのは、公家の女性であるという慣例があるため、篤姫はこの後、幾島の繋がりで近衛忠煕の養女となり、近衛家から将軍家に輿入れをします。

篤姫は大奥入りしてから、あまり幸せであったとは、私は思えません。

実は一橋慶喜の父は大奥では嫌われ者。慶喜を推してる島津の娘ということで嫁入りはあまり歓迎されませんし、義父の斉彬の死去に続き、夫・家定とは時間をかけて良い関係になるにも結婚生活は二年足らずで家定と死別、姑として指導する嫁は皇女和宮でやりにくかったでしょうし(後に和解したそうですが)ようやく慶喜が将軍になったと思えば江戸幕府は倒幕され江戸城を出るはめになり…

「篤姫様の不出来は島津家、薩摩、そしてこの幾島の恥。許されません!」と徹底的に篤姫を育てる幾島、今はきつい指南役ですが、今後篤姫に寄り添い大奥という彼女にとってあまり良いことの無い環境で心の支えになってくれることでしょう。

次週は「斉彬暗殺」

次週はタイトルからして不穏ですね…もしかしてもう斉彬様は退場でしょうか。薩摩で隠居した斉興と由羅はまだ出てくるのでしょうか。確執は解決したと思っていたのに。

今までぼんやりと、斉彬に尽くす!だけが目標だった吉之助は、恐らく日本の現状もそれによる江戸幕府のあれこれも全く知らなかったし知ろうとも思わなかったのではないでしょうか。佐内に教えてもらっても、雲の上の話、で済ませてしまいましたしね。佐内が失望するのも分かります。

薩摩の中にいればそれで済んだかもしれないけれど、吉之助はもう篤姫に関わっている地点で片足を幕末の動乱に突っ込んでいるんです。それを来週に自覚して、先を見据える覚悟を持ってくれるのか。また来週に期待です。