「多嚢胞性卵巣」と「不妊治療」そして「自然妊娠」

私は、20代の独身の頃、産婦人科医院で「多嚢胞性卵巣」と診断されました。

当時、仕事のストレスなどもあり、妊娠はしていないのに生理が3ヶ月くらい遅れていました。それまでは多少のズレはあっても毎月きていたので、さすがに長期でこないのはマズイのではないかと思い、産婦人科にかかったのがそのことが発覚したキッカケでした。

「多嚢胞性卵巣」の場合、そのまま放置していたのでは毎月の排卵がきちんと行われません。そして、排卵が行われないということは、生理も起こらなくなるんです。当時は独身であり結婚の予定もなかったので、ピルを処方され、それを飲むことで毎月の生理がきちんと来るようになりました。

そして、その病院の先生に、「子どもが欲しければ、不妊治療をするしかないので、もし結婚して子どもが欲しくなった場合には、必ず病院にかかるように」と言われました。

30になって遅まきながら結婚し、すぐに子どもが欲しかったわけではないけれど、不妊治療にどれくらい期間がかかるかわからないということもあり、新婚旅行が終わってすぐに病院にかかることにしました。

そうして、不妊治療を受けることで無事に妊娠することができ、なんとか今では可愛い2人の子どもに恵まれたわけですが、同じような症状で苦しまれている方、不安に思われている方もたくさんいらっしゃると思います。

今回は、「多嚢胞性卵巣でも妊娠することができた」という自身の経験が同じ症状で悩まれている方の希望になればと思い、簡単にではありますが、体験談を少しお話してみようと思います。

「多嚢胞性卵巣」とその治療法

正確には「多嚢胞性卵巣症候群」というのだそうですが、簡単に説明すると、卵巣内には元々たくさんの卵細胞があります。通常であれば、毎月その一つが卵胞として大きく育ち、成熟したものが排卵されることで生理が起こるわけです。

しかし「多嚢胞性卵巣症候群」の場合、たくさんの卵胞はあるんだけれども、それがなかなか大きく育つことができず、排卵がされないために生理が遅れたり、生理が起こらなかったりする状態になるんだそうです。

「多嚢胞性卵巣症候群」には、今のところ治療法はないとのこと。

先ほどちらっと書きましたが、私が独身時代に産婦人科にかかったときは、まだ妊娠を希望していなかったこともあり、ピルが処方されました。ピルを服用することにより、排卵は起こらないけれども、ホルモンバランスが調整され、毎月きちんと生理はくるようになるんです。

無月経という状態はやはり身体にとってはよくないことなんだそうです。

ピルはそれまでの知識としては、避妊のためだけに使われるものだと思っていました。しかし実は排卵をストップさせることで卵巣を休ませてくれ、ホルモンバランスを整えて毎月の月経を促すことで子宮環境を整えてくれ、その結果、将来的な不妊の原因となる病気などを予防してくれる効果があるんだそうです。

もちろん、ピルを飲んでいる間は排卵が起こらないわけですから、妊娠を希望する場合にはまた違った治療法となってきますが、独身時代にきちんと産婦人科にかかり、「多嚢胞性卵巣である」ということが早くに判明し、ピルを服用して子宮の環境を整えるという治療をしてもらえたおかげで、結婚後の不妊治療がそれほど長期の治療とならずに済んだのではないかと思っています。

不妊治療、はじめました

結婚した時点で30になっていたこともあり、しばらくは夫婦水いらずで新婚生活を楽しみたいと思いつつも、やはり出産のことと自分の年齢のことを考えると、産婦人科には早々にかかっておいた方がいいだろうな、と考えました。

「不妊治療」がどういった手順で行われるかもわかりませんし、とにかく時間のかかるものだというイメージはあるのですが、妊娠できるまでにどれほどの年月がかかるかも全く想像ができませんでしたしね。

独身時代に通院していた産婦人科では、結婚を機に県外へ転居するということで、転居先の産婦人科でスムーズに治療をはじめてもらえるようにと、紹介状を書いてもらっていました。

そして、転居先で病院の口コミサイトを調べ、評判がよく、家からも遠くなく、さらに不妊治療もしているという個人病院を探し出し、通うことにしました。

不妊治療を専門に行っている病院ではなかったので多少の不安はありましたが、紹介状を読んで現状を診ていただき、ピルの服用を止めたらとりあえず排卵は起こっているようだからと、性病や精子の検査といった他の検査も同時進行で行いつつ、基礎体温をつけ、タイミング法から試すこととなりました。

タイミング法は3回ほど試しました。

卵胞が育ちきるより前のタイミングで通院して成長具合を確かめてもらい、排卵が起こる日を予測して、タイミングを計るという方法です。しかし、元々生理不順であることもあり、直前に受診しても排卵のタイミングがズレてしまうことがあったため、次のステップに移ることになりました。

次のステップは、「クロミッド」という排卵誘発剤を服用し、確実な排卵を促すことでした。私には、これが効果バツグンだったようです。

通常、クロミッドは生理開始5日目から飲み始めるものなのですが、私の場合、生理が終わって1週間後に卵胞の成長具合を確かめてもらうために受診したところ、成長が悪いということから、急遽、当日からクロミッドを服用することとなりました。そして、クロミッドを飲み終えてから5日後に受診し、卵胞が育っていることを確認。

確実な排卵を促すために、HCG注射という筋肉注射を打たれました。この注射は、排卵をより確実に起こさせるためのものだそうで、注射後24~36時間内に排卵が起こるとのこと。それをもとに、その前後にタイミングをとるように指導されました。

そして、その結果、あっさり妊娠。薬を服用し出してすぐに成果が出たので、本当に相性がよかったんだと思います。もしそのときに妊娠できていなかったら、次は卵管の造影検査をしてみよう、と言われていました。

なにはともあれ、そのまま何事もなく妊娠生活を終え、無事に1人目を出産することとなりました。

二度目の不妊治療と流産

第一子を授かってから数年。今度は第二子をと、再度、同じ産婦人科にかかることにしました。

一通りの検査は第一子のときに済ませているため、前回効果バツグンだった排卵誘発剤クロミッドの服用からスタートです。最初は、HCG注射は打たずにクロミッドだけの服用でしたが、それで妊娠することがなかったため、その次からは、前回と同じくクロミッド服用後、排卵直前時にHCG注射を打たれることとなりました。

そして、クロミッド服用+HCG注射で排卵を迎えること2回目で、再度妊娠。しかし、今回は前回のようにうまくはいきませんでした。

妊娠検査薬で陽性を確認したものの、胎嚢は確認できず。1週間後に再度受診して胎嚢確認。ただ、そのとき先生が、「ちょっと小さいな…」と首をかしげながら呟いていたのがとても印象的でした。

それから2週間ほどして再度受診したところ、胎嚢の中に胎児が確認されず、「今回は残念ながら流産です。しばらくすると自然に流れ出ます」と言われました。

正直、前回の先生の態度で、「あ、今回はダメかも…」と思っていたこともありましたし、卵の殻だけがあって中身がない状態だということで、流産ということに対しては、特にショックを受けることはありませんでした。むしろ、まだちゃんと妊娠できる体質なんだと確認できたと、前向きにとらえることができました。

そして、先生から言われていたとおり、まもなく不正出血が始まり、数日後には胎嚢が出たようでした。流産とは言っても、病院にかかっていたのでそうと認識できただけで、もし病院にかかっていなければ、いつもより少し遅くに始まった重い生理だな、と思っていたと思います。

胎嚢が出る直前、1~2時間ほどは、かなり生理痛の重い状態で(今思えば、一種の陣痛みたいなものだったんでしょうね)、胎嚢と思われる血の塊がドロッと出てしまってからは、その痛みはスッとなくなりました。

1週間後にまた受診するように言われていたため診てもらったところ、子宮内に何も残らず綺麗に流れ出ていたことが確認できました。

不妊治療再開、三度目の妊娠

流産後、1カ月半ほどして、生理が再開しました。

次の生理が終わった頃に受診してくださいと言われていたため、受診したところ、そこでまたクロミッドを処方されました。ただ、このときは、用事があって排卵日直前に病院を受診することができなかったため、HCG注射を打ってもらうことができず、またタイミングもとれなかったために、次の生理がきたら服用するようにとクロミッドを渡され、翌月からまた挑戦することになりました。

そこから2回ほど、クロミッド+HCG注射を試しましたが妊娠しなかったため、3回目にはクロミッド+HCG注射に加え、排卵確認後に「デュファストン」という薬を処方されて服用することになりました。「デュファストン」は高温期を安定させるということで、もし受精していた場合に、妊娠を継続させやすくなるとのことでした。

結局、さらに加わった新たな薬がしっかり効いてくれたようで、無事に妊娠。三度目の妊娠は、無事に出産を迎えることができ、現在、第二子も可愛くスクスクと育ってくれています。

まさかの、四度目は自然妊娠…!?

無事に2人の子どもを妊娠・出産したところで、この話は終わりではありませんでした。

この度、まさかの第三子を妊娠。しかも、病院にかかることなく、今回は自然妊娠です。

義母からは、将来、親に何かあったときに兄弟姉妹で相談しやすいように、子どもは3人くらいいた方がいいよと言われていましたが、30代も後半にさしかかり、子ども二人を連れて不妊治療のために産婦人科に通院するのも大変です。旦那とは、きっと自然にできることはないだろうけど、もし授かることがあったら産もうね、くらいの話をしていました。

しかし、本当に自然にできてしまったんです!

二人目を出産し、生理も再開して、断乳も上の子よりあっさり完了。

大体決まったペースで生理がくるようになってはいましたが、やはりたまに生理がズレることもしばしば。そして、「いつもよりさらに生理が遅れているけど、まさかなぁ…」と、念のために試してみた妊娠検査薬がまさかの陽性だったときには、自分の目を疑いました。

「多嚢胞性卵巣」って、病院にかからないと妊娠できないんじゃなかったんでしたっけ…?

「多嚢胞性卵巣」でも油断してはいけません

二人目を出産後、産婦人科にかかっていなかったため、「多嚢胞性卵巣」が治ったのかどうかはわかりません。ただ、薬も注射も使うことなく、妊娠できたことだけは確かですし、今現在、おなかの中で、スクスクと育っている我が子がいることは事実です。

上二人が不妊治療で授かったという話をすると、「今回の子はまさに『授かりもの』だね」といろんな人から言われます。本当にそのとおりです。

元々、もし妊娠できたら産もうねと話していたこともあり、旦那も子どもも、そして両家の実家もすんなりこのことを受け入れて喜んでくれましたが、もし、考えていないのであれば、「多嚢胞性卵巣」で自然に妊娠しにくいと思っていても、それは絶対のことではないので、避妊はしておいた方がいいです。

歳を重ねるごとに、妊娠率は下がってきますし、正直、アラフォーになって自然妊娠できるとは思っていませんでしたが、わが家のような例もあります。

「多嚢胞性卵巣」であっても高齢出産の年代にさしかかっていても、「妊娠」という奇跡は、いつ自分を訪れるかわからないということです。

私のこの経験談が、不妊治療を頑張っていらっしゃる1人でも多くの方に、少しでも勇気づけることができれば幸いに思い、簡単にではありましたが、まとめてみました。どうぞ、よい治療を。そして、よいお産につながりますように…。

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